全格闘家が目指している称号は何でしょうか。
それは、「最強」でしょう。
比類なき強さを誇る人物にのみ用いられる「最強」という言葉ですが、日本キック界には他のファイター達が口を揃えて「最強」と評価する人物がいます。
その人物こそ、今回の主役K-1ウェルター級で大活躍中の「野杁正明選手」です。
その圧倒的な強さから付いた異名は”新時代の怪物”。顔色を一切変えずに相手選手を破壊していく様はその異名どおりの恐ろしさです。
ただ、野杁選手のファイトスタイルは判定決着が多いということもあり、好き嫌いがはっきり分かれるとも言われています。
そんな野杁選手がプロ格闘家の間での評価が非常に高い理由はどこにあるのでしょうか。
その強さの秘密について徹底的に解剖していきましょう。
そして、K-1の怪物の今後の活躍についても考察していきます!
目次
野杁正明選手のwiki的プロフィール!
野杁正明選手のWiki的プロフィール!
名前:野杁 正明(のいり まさあき)
出身地:愛知県名古屋市
誕生日:1993年5月11日
身長:175cm
血液型:B型
所属:K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST
戦績:53戦 43勝(19KO) 10敗 0分
バックボーン:空手
8割を超える勝率はさすがの実績ですね。
そして彼の所属ジムは「K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST」です。
野杁選手の他にもK-1史上初の3階級王者武尊選手や現スーパーライト級王者の山崎 秀晃が所属していることでも知られている超強豪ジムになります。
このKRESTでの名物練習に「ガチスパー」という名前を聞くだけでもその激しさが分かるものがあります。
試合さながらの空気感と強度で行われるスパーは防具こそつけているものの、練習とは思えないほどの”ガチ”度合いは非常に見ていて迫力があります。
(山崎選手が愛鷹選手にKOされる映像は震えるほどに衝撃的です…)
多くの有名選手達が、これだけの緊張感の中で充実した練習を行っていることを踏まえると彼らの強さにも納得ですね…
野杁正明の強さの秘密はファイトスタイルにあった?
冒頭でも紹介した通り、野杁選手は周りの格闘家からの評価がとにかく高いです。
今回は、周りの格闘家からの野杁選手への評価を一部抜粋してまとめてみました。
山崎秀晃選手 「今までやった相手の中で一番やりにくい。パーフェクトファイター。」
安保瑠輝也選手 「壁かと思った。K-1選手の中で一番穴がない。」
武尊選手 「殺気を感じさせずに強い攻撃を当てる能力が非常に高い。」
那須川天心選手「オールラウンダーでパンチも蹴りも上手い。怪物。」
原口健飛選手 「あんなんとはやりたくない。強すぎて無理」
団体をも越えた錚々たるメンバーから評価を受けていることがわかります。
(しかも全員世界チャンピオン…)
野杁選手を評価する上で欠かせない要素となるのが、「ファイトスタイル」でしょう。
安保選手が”壁”と喩えているように野杁選手はガードを固めて相手に近づいていくファイトスタイルが非常に特徴的です。
このスタイルは、誰が相手であっても決して変えることはありません。
その立ち上がりは非常に静かです。
相手がどんなに激しい攻撃を繰り出してきたとしても決してガードを下げずに距離を潰し続けます。
そして、ローやボディで徐々に相手のスタミナを奪っていき、相手の意識が緩んだ一瞬を見逃さずに慈悲なき拳を叩き込む…
常にこの戦い方を徹底する姿はまさに必殺仕事人です。
この強さが分かりやすく現れている試合が、2019年の8月に行われたサミ・ラミリ戦です。
2R終盤間際、膝でダウンを奪った後、野杁選手は決して勝ち急ぐことはなくガードを固めてゆっくりとサミ選手へと近づいていきます。
そして、サミ選手の連打をガードで受け続け、コーナー際に追い詰めた途端に強烈なボディを2発…非常に恐ろしいまさに怪物です。
どんな試合のどんな状況においても、淡々と戦い続ける冷静さこそが野杁選手の一番の強みであり怪物たる所以でしょう。
王座に興味はない?王者久保優太を無視した過去。
そんな圧倒的な強さを誇る野杁選手は、
2017年6月18日に行われたゲーオ・ウィラサクレック選手とのタイトルマッチに見事勝利しK-1 WORLD GPスーパー・ライト級の王座につきます。
そして2018年から現在は、階級を上げてウェルター級へと活躍の幅を広げています。
野杁選手はこのウェルター級でも7戦6勝1敗と、安定した強さを見せています。
これだけの結果を残している野杁選手ですが、意外なことにもウェルター級に転向してからの約3年間でタイトルマッチの経験は1度も無いんです。
K-1のウェルター級と言えば、2017年~2020年までの間絶対王者として、先日のRIZIN参戦発表で話題沸騰中の久保優太選手が君臨していました。
野杁選手はこの久保選手相手に3戦1勝2敗と負け越しているといった因縁もあり、ウェルター級転向当時は久保選手とのタイトルマッチも非常に期待されていました。
しかし、そのような状況下において野杁選手はまさかの選手を試合相手として指名します。
その選手こそがジョーダン・ピケオー選手です。
当時、対日本人においては9戦無敗という圧倒的強さを見せており、実力は久保選手以上とも言われていた間違いなく”本物”の選手です。
結果としては、一度はハイキックによってピケオー選手をぐらつかせて追い詰めたものの判定2-1で惜敗してしまいました。
野杁選手は当時、久保選手ではなく対日本人最強のピケオー選手を指名した理由を聞かれた際に
「久保選手よりピケオー選手の方が強いから」
との回答を残しています。
負けこそはしたものの、王座以上に真の強さを求める野杁選手の姿勢は非常にかっこいいですね!
(実際久保選手はピケオー選手を圧倒してしまいましたが…笑)
野杁正明まとめ
今回はK-1ウェルター級の怪物野杁正明選手について紹介してきました!
K-1ウェルター級と言えば、9月20日で開催される<K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント>が近づいています。
このトーナメントでの優勝候補筆頭は勿論野杁選手とされています。
ただ、本トーナメントには野杁選手のライバルとなりうる、ある選手が参戦しています。
その選手は野杁選手を「壁」と称していた元スーパーライト級王者の安保瑠輝也選手です。
冷静沈着な野入選手とは対照的に非常にアグレッシブな安保選手。
決勝戦ではこの対照的な2人の元世界王者による夢の対決が見られるかもしれませんね!
ウェルター級王座を目の前にした上で安保選手という強敵の参戦が決まった今、野杁選手はかなりの進化を遂げていること間違いなしでしょう。
想像しただけでも恐ろしいですね…笑