プロボクシングには現在、WBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体と呼ばれる世界王座認定団体があります。
実は日本人で4団体全てで世界王座を獲得したことがある選手が存在します。それが高山勝成(たかやま かつなり)選手です。
高山選手は主要4団体全てで世界ミニマム級王者になっています。プロで世界王者になった後、アマチュア選手に転向するなど、珍しいキャリアを重ねている選手でもあります。
昨年、再びプロに復帰し37歳にして再度世界王座を目指しています。興味深いボクシングキャリアを含め、高山選手について深堀していきます。
目次
高山勝成のwiki的プロフィール!
![画像](https://www.asianboxing.info/uploads/7/1/4/4/7144872/published/746437674.jpg?1586175266)
出典:AsianBoxing
高山勝成のWiki的プロフィール!
名前:高山 勝成(たかやま かつなり)
出身地:大阪府大阪市
誕生日:1983年5月12日
身長:158.5cm
血液型:B型
所属:寝屋川石田ボクシングクラブ
特徴:日本人として初めて主要4団体全ての世界王座を獲得
高山選手は中学生の頃から運動神経が良かった良かったようです。中学時代は陸上、ラグビー、ボクシングを掛け持ちしていました。ボクシングではミニマム級の選手とあって小柄なため、ラグビーは意外ですが、高い身体能力を発揮し通用していたのでしょう。
中学2年生の頃からエディタウンゼントジムに入門し本格的にボクシングを始めました。高校には進学しておらず、プロ入り前のアマチュアレコードはありません。トレーニングを積みライセンスを取得し、17歳でプロデビューしています。
実は高山選手は2014年、IBF世界ミニマム級王者時代に30歳にして愛知県の菊華高校に入学し、普通科のスポーツアクトコースを卒業しました。将来的に指導者を目指すビジョンがあったため菊華高校で学んだようです。さらに、その後は名古屋産業大学に進学しきっちりと4年で卒業しています。
世界王者となりすでに人生で成功を収めていながらも、30歳を超えてから高校に通い、さらに大学を卒業しました。高山選手のまじめさや勤勉さが表れていると思います。
高山勝成の戦績や強さは?
こちらが高山勝成選手の戦績です!
41戦32勝(12KO)8敗1分け
戦 日付 勝敗 内容 対戦相手 備考 1 2000年
10月18日勝利 TKO 中村洋三 プロデビュー戦 2 2001年
4月28日勝利 判定3-0 國重隆 西日本ライトフライ級新人王トーナメント予選 3 2001年
7月22日勝利 KO 龍岩大器 西日本ライトフライ級新人王トーナメント準決勝 4 2001年
9月13日勝利 判定2-0 楠浩明 西日本ライトフライ級新人王トーナメント決勝戦 5 2001年
10月13日勝利 判定3-0 大曲大五郎 中日本・西日本ライトフライ級新人王対抗戦 6 2001年
11月18日勝利 TKO 西村吉史 全日本ライトフライ級新人王西軍代表決定戦 7 2001年
12月15日勝利 判定3-0 山崎光洋 全日本ライトフライ級新人王決定戦 8 2002年
5月5日勝利 TKO 柏木大作 9 2002年
7月13日勝利 TKO 岡島孝 10 2002年
10月14日勝利 判定2-0 ソンクラーム・ポーパオイン 11 2003年
4月21日敗北 TKO 畠山昌人 日本ライトフライ級タイトルマッチ 12 2003年
12月21日勝利 TKO サミン・ツインズジム 13 2004年
2月15日勝利 判定3-0 藤原工輔 14 2004年
8月7日勝利 判定2-0 エルマー・ゲホン 15 2004年
12月8日勝利 KO ナムチャイ・タクシンイーサン 16 2005年
4月4日勝利 判定3-0 イサック・ブストス WBC世界ミニマム級タイトルマッチ 17 2005年
8月6日敗北 判定0-3 イーグル京和 WBC王座陥落 18 2005年
12月3日勝利 負傷判定3-0 ロレン・デル・カスティーリョ 19 2006年
3月18日勝利 負傷判定3-0 小熊坂諭 日本ミニマム級タイトルマッチ 20 2006年
11月7日勝利 負傷判定3-0 カルロス・メロ WBA世界ミニマム級暫定王座決定戦 21 2007年
4月7日敗北 判定1-2 新井田豊 WBA世界ミニマム級王座統一戦 22 2007年
10月6日勝利 判定3-0 ファビオ・マルファ 23 2008年
1月5日勝利 TKO ガオフラチャーン・チュワタナ 24 2008年
4月28日勝利 KO マーティン・キラキル 25 2008年
9月22日勝利 判定3-0 ハビエル・ムリージョ 26 2009年
3月12日勝利 判定3-0 ロマート・センティリャス 27 2009年
7月14日敗北 判定0-3 ローマン・ゴンサレス WBA世界ミニマム級タイトルマッチ 28 2010年
9月1日勝利 TKO ツシェポ・レフェレ IBF世界ミニマム級挑戦者決定戦 29 2011年
1月29日- NC ヌコシナチ・ジョイ IBF世界ミニマム級タイトルマッチ 30 2012年
3月30日敗北 判定0-3 ヌコシナチ・ジョイ IBF世界ミニマム級タイトルマッチ 31 2012年
10月13日敗北 判定1-2 マテオ・ハンディグ IBF世界ミニマム級挑戦者決定戦 32 2013年
3月30日勝利 判定3-0 マリオ・ロドリゲス IBF世界ミニマム級タイトルマッチ 33 2013年12月3日 勝利 判定3-0 ビルヒリオ・シルバノ IBF防衛1 34 2014年
5月7日勝利 判定3-0 小野心 IBF防衛2 35 2014年
8月9日敗北 判定0-3 フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア IBF・WBO世界ミニマム級王座統一戦 36 2014年
12月31日勝利 TKO 大平剛 IBF・WBO世界ミニマム級王座決定戦 37 2015年
4月22日勝利 負傷判定3-0 ファーラン・サックリン・ジュニア IBF防衛1 38 2015年
9月27日勝利 TKO 原隆二 IBF防衛2 39 2015年
12月31日敗北 負傷判定1-2 ホセ・アルグメド IBF王座陥落 40 2016年
8月20日勝利 負傷判定3-0 加納陸 WBO世界ミニマム級王座決定戦 41 2020年
12月27日勝利 判定3-0 小西伶弥 復帰戦 引用:Wikipedia
現在37歳の高山選手はこれまでに41戦のキャリアがあります。40戦目までミニマム級で戦ってきました。特筆すべきはWBA、WBC、IBF、WBO主要4団体全てで王座を獲得していることです。これは高山選手が日本人で初めて成し遂げました。
戦績を見ると、8敗していますが常にチャンスをうかがい世界挑戦していることが分かります。惜しくも敗北していますが、イーグル京和選手や、新井田豊選手など天才と呼ばれていた強豪選手との対戦もあります。
そして41戦目はライトフライ級で復帰戦を行いました。世界挑戦経験のある小西伶弥選手に勝利し、未だ衰えを見せていないことを証明しました。
高山選手はハードパンチャーではないですが、スタミナと粘り強さを武器に世界の強豪と戦ってきました。直近の復帰戦でも、かつてと遜色のない運動量とタフさと技術力を見せました。37歳にして再びプロで世界を目指すという意気込みを結果で示したと思います。
高山勝成はプロからアマチュアへ転向したことがある?
高山選手は2018年にプロからアマチュアへ転向したことがあります。アマチュアからプロへの転向というパターンは数多くありますが、プロで世界王者まで上り詰めた選手がアマチュアへ転向するというのは極めて異例のことでした。
2016年にブラジルで行われたリオオリンピックからボクシングのプロ選手の出場が認められるようになりました。そこで、高山選手はボクシングで金メダルを取りたいという夢を持つようになりました。
しかし、日本ではプロボクサーとしてオリンピック選考に出場することは認められませんでした。そこで高山選手は一度プロを引退し、アマチュア選手となりオリンピックを目指すことになりました。
オリンピック選考には出場したものの高山選手は予選で負けてしまい、東京オリンピック出場の夢は絶たれてしまいました。アマチュアルールへの対応がうまくできず、高山選手にはアマチュアボクシングは合わなかったようです。そして、再びプロの舞台に戻ってきました。
プロから転向したアマチュアボクサーとしてのオリンピック出場は叶いませんでしたが、自らの夢のために前例のないことに挑戦する姿勢は素晴らしいと思います。
高山勝成の次戦や今後はどうなる?
高山選手の次戦は5月8日にアメリカでWBO世界ライトフライ級王者のエルウィン・ソト選手に挑戦することが決まっています。
ソト選手は軽量級とは思えぬハードパンチャーでさらにタフさも兼ね備えた屈強な王者です。高山選手は不利だと見られていますが、高山選手の経験があれば、まだ安定王者とは言えないソト選手に付け入る隙はありそうです。
高山選手は次戦で王座を奪取できれば2階級制覇達成です。高山選手が戴冠した場合、今後、WBAスーパー王者の京口選手、WBC王者の寺地選手との統一戦の話が出てくる可能性が大いにあります。
37歳になっても新たな挑戦をし続け、さらなる高みを目指し続ける高山選手にはこれからも注目していきたいところです。