「日本ボクシング史上最高傑作」と呼ばれている井上尚弥選手。
その知名度は日本に留まらず、海外でも目の離せない選手として有名です。
様々な階級を制覇している井上選手の次の階級はどこを目指すのでしょうか?
この記事では、そんな井上選手の強さに触れつつ、PFPで見た井上選手に迫ってみたいと思います。
目次
”MONSTER”井上尚弥選手とは?
井上尚弥選手の戦績
プロ戦績無敗
井上尚弥選手は、アマチュア75勝6敗(48KO)という驚異的な数字と、史上初となるアマ7冠を達成した後、19歳という若さでプロになります。
このプロ転向じに「怪物」という異名をジム会長によって名付けられ、世界に井上の名前を知らしめたと同時に「モンスター」へと変貌を遂げます。
プロ通算成績は21戦21勝無敗(18KO)と圧巻の成績を出しおり、注目すべきはやはりKO率で、プロ転向後の数字は85%をたたき出しています。
階級は?
井上選手はライトフライ級でプロデビュー戦勝利後、驚異的なスピードで勝利を重ねます。
そのままデビュー6戦目にして世界タイトルを獲得し、一度の防衛戦を挟みスーパーフライ級へ転向。(フライ級を飛ばし、2階級転向をしています。)
プロ8戦目でスーパーフライ級の世界タイトルも獲得し、これは当時の世界最速2階級制覇となっています。また、この後7度の防衛に成功しています。
2018年からバンタム級に転向。16戦目にて世界タイトルを獲得。
当時国内最速となる3階級制覇を成し遂げます。
上記より、現在井上尚弥選手はライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級の階級にて試合を行っており、それぞれ世界タイトルを獲得しています。
やはり、ここで気になるのはフライ級をなぜ飛ばしたのか?という点ですが、調べれば調べるほど憶測が広がり、主題から遠のくため、今回は深堀するのはやめておきます・・・
獲得タイトル
上述した通り、井上選手は各階級で世界タイトルを取得しています。
WBC世界ライトフライ級王座、WBO世界スーパーフライ級王座、WBAスーパー世界バンタム級王座となります。
また、バンタム級に関してはWBSSにてIBF世界王者を下し、IBFバンタム級王座を獲得したことにより、2冠を達成しています。
PFPで見る井上尚弥の強さ
PFPとは?
PFPとは、単刀直入に言うと、格闘技において階級のハンデを抜いた場合、だれが一番強いのか?を示した指標です。
ボクシング含めキックボクシング、MMA等、格闘技では階級を分割し、体格が近い者同士で試合を行うこととなります。
それほど格闘技において体格というハンデはとても影響が大きく、一般的には体重が重い方が有利と言われています。
この理論でいくと、最も重い階級であるヘビー級のチャンピオンが一番強いことになってしまうので、とても味気ない・・・という思いからPFPが生まれた!と勝手に思い込んでいます。
実際こういう基準があった方が議論も白熱しますし、他の選手が気になって益々格闘技に興味が湧いてきます。
ちなみにPFPはPound For Poundの略で、パウンド・フォー・パウンドと読みます。
そもそもこの単語は一選手を称える称号だった、という説もあるそうです。
井上尚弥選手の現ランクは?
PFPは格闘技専門誌がそれぞれの手法や知見を活かし、それぞれのランキングを発表しています。
その中でも一番有名なのが、PFP生みの親である「ザ・リング」です。
このザ・リングが発表しているPFPでは、井上尚弥選手は、2位にランクインしています。
時点でよく話題になるのがESPNのこちらは3位にランクインとなっています。
冒頭でお話した”モンスター”と呼ばれている井上選手ですら1位ではないというのは衝撃ですね・・・
井上選手より上位の選手に迫ってみます。
PFPランキング1位 サウル”カネロ”アルバレス選手とは?
サウル”カネロ”アルバレス選手の経歴
カネロ・アルバレス選手は、メキシコのプロボクサーで、世界4階級制覇の王者です。
戦績は53勝1敗2分け(35KO)となっており、唯一敗北した対戦相手は、あの「メイウェザー」選手です。
まずはデビュー後、無敗でスーパー・ウェルター級で世界王者となります。
その後、フロイド・メイウェザー選手との対戦で敗北を喫することをきっかけに、更なる飛躍を見せ、ミドル級へ転向。
そのままミドル級で世界タイトルを獲得すると、3冠王のゴロフキン選手との対決が決定します。
一度目はドローとなるも、2回目の対決では判定勝ちを収めます。
さらに勢いは止まらず、スーパーミドル級、ライトヘビー級へ進出しそれぞれ世界タイトルを獲得しています。
かなり簡略していますが、以上が世界4階級制覇を成し遂げたカネロ選手の経歴です。
ちなみに”カネロ”はあだ名で赤毛の意味があるそうです。
井上選手との違い
まず、大きな違いとしては、4階級を制覇している点と思われます。
数値として記録の差が出ているのでここは明らかです。
また、世間的な評価の影響を受けやすいPFPの評価上、フロイド・メイウェザー選手、ゲンナジー・ゴロフキン選手、ダニエル・ジェイコブス選手、セルゲイ・コバレフ選手といったビッグネームとの対戦という要素も、井上選手より評価されていると感じます。
井上選手の今後の挑戦
PFP1位になるには?
個人的な意見になってしまいますが、やはり井上選手にNo1になって欲しいところです。
カネロ選手が優れている点を挙げましたが、世間的な評価に井上選手との差はそこまで無いと調査した結果感じました。
つまり、このまま井上選手もビッグネームとのマッチングをこなし、勝利を収めれば、勿論PFP1位になることでしょう。
ただ、ここで問題になるのが、マッチングがそもそも成立しない点です。
格闘家とはいえ、ビジネスとして確立する必要があるため、明らかに負ける可能性がある選手との対戦は避けたくなりますよね?
実際にそんな話があるとかないとか・・・
今後の動向
スーパー・バンタム級へ転向?またはバンタム級統一?
井上尚弥選手のオフィシャルサイトや、大橋ジム主催のインタビュー内容から見るに、スーパー・バンタム級への転向の可能性は直近では無さそうです。
ならば何を目標にするのか?それが「バンタム級4団体統一」です。
経歴で紹介した通り、井上尚弥選手は、バンタム級2冠(WBAスーパー、IBF)を達成しています。
それに加えWBC王者ノニト・ドネア選手とWBO王者ジョンリール・カシメロ選手とのバンタム級タイトル統一戦が決定しています。
これを受けて井上選手は「統一戦が階級最強を証明する一番わかりやすい形。」と興味深々。
このバンタム級統一戦を井上選手が制すことができれば、自ずとPFP1位の道が開かれるはずです。