ボクシング

井上尚弥を挑発するリゴンドーはどんなボクサー?過去に来日経験あり?

現在、日本ボクシング界はWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥選手を中心に注目を集めています。世界的にもバンタム級の中心は井上選手だと認識されており、話題になっています。

 

昨年、井上選手はWBO世界バンタム級王者のジョンリール・カシメロ選手に再三挑発されてきました。昨年5月に予定されていたカシメロ選手との王座統一戦はコロナ禍で流れてしまいましたが、もうひとり、井上選手を挑発し始めたボクサーが現れました。

 

WBA世界バンタム級正規王者のギジェルモ・リゴンドー選手です。日本のスポーツニュースなどでは、井上選手を挑発していることに関しての報道がほとんどでしたが、実は輝かしいキャリアを持った選手です。

 

今回はリゴンドー選手について深堀していきます。

ギジェルモ・リゴンドーのwiki的プロフィール!

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出典:BoxingScene

ギジェルモ・リゴンドーのWiki的プロフィール!

名前:ギジェルモ・リゴンドー

出身地:キューバ共和国 サンティアーゴ・デ・クーバ市

誕生日:1980年9月30日(年齢40歳)

身長:161.5cm

血液型:不明

所属:PBCと契約中

特徴:左ボクサータイプ

リゴンドー選手はアマチュア時代から輝かしい成績を残しています。

 

オリンピックでは2000年のアテネ、2004年のシドニーでバンタム級で出場し、2大会連続して金メダルを獲得。

世界選手権では2001年ベルファスト、2005年綿陽でバンタム級で出場し、こちらも2大会連続で金メダル獲得。

 

4年に1度しか行われない大会で、コンディションをピークに持っていくことが、どれほど難しいかは容易に想像ができます。この時のリゴンドー選手はまだ20代で、加齢による衰えがないとはいえ、オリンピックと世界選手権連覇は驚くべき記録です。

 

プロでの成功を夢見て亡命

リゴンドー選手は2007年、パンアメリカン大会出場のため訪れていたブラジルで、同胞のエリスランディ・ララ選手(現WBA世界スーパーウェルター級正規王者)と亡命を計画しました。しかし失敗してしまい、現地の警察に身柄を拘束され、キューバへ強制送還となってしまいました。

 

そして、当時のカストロ首相から、今後、代表チームには入れないと明言されてしまいました。

 

亡命の機会は失われたかに見えましたが、リゴンドー選手とララ選手は諦めず、2009年にメキシコを経由して、アメリカのマイアミに渡り亡命に成功したのです。

 

それほどまでに亡命をしたかった理由としては、リゴンドー選手より先に亡命していた選手がプロで活躍している姿を見て触発されたこと。また、キューバに居続けては、実力に見合った報酬が稼げないことが挙げられます。

 

日本人にはとても考えられませんが、国家の体制や経済状況の違いは、時にとてつもないハングリー精神を醸成させるのだと感じます。

ギジェルモ・リゴンドーの戦績や強さは?

リゴンドー選手のファイトスタイルは?

リゴンドー選手のファイトスタイルは完全にボクサータイプです。基本的にディフェンシブに戦い、ポイントアウトを狙います。一方で鋭い左ストレートも得意としており、キレのあるパンチとカウンターで相手を倒す力も持ち合わせています。

 

そして、特筆すべきはそのフットワークです。全盛期の頃はまるで瞬間移動のようなステップで相手の目の前からいなくなり、パンチを避けていました。テレビなどの画面越しに俯瞰で試合を見ていてそう思うのですから、対峙している相手は一瞬リゴンドー選手が消えたと思っているかもしれません。ディフェンス能力のみであれば、全階級通じてトップと言っても過言ではないと思います。

 

 

こちらがリゴンドー選手の戦績です!

プロ戦績は22戦20勝(13KO)1敗1無効試合となっています。

 

日付 勝敗 内容 対戦相手 備考
1 2009年
5月22日
勝利 TKO フアン・ノリエガ プロデビュー戦
2 2009年
7月17日
勝利 TKO ロバート・ギーエン
3 2009年
9月18日
勝利 TKO ジョバンニ・アンドラーデ NABA北米スーパーバンタム級王座決定戦
4 2009年
12月16日
勝利 判定
3-0
ランテ・アディー
5 2010年
2月5日
勝利 KO アドルフォ・ランデロス
6 2010年
8月21日
勝利 TKO ホセ・アンヘル・ベランサ
7 2010年
11月13日
勝利 判定
2-1
リカルド・コルドバ WBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦
8 2011年
3月19日
勝利 TKO ウィリー・ケーシー WBA防衛1
9 2012年
1月22日
勝利 KO リコ・ラモス WBA世界スーパーバンタム級王座統一戦
WBA防衛2
10 2012年
6月9日
勝利 TKO テオン・ケネディ WBA防衛3
11 2012年
9月15日
勝利 判定
3-0
ロバート・マロキン WBA防衛4
12 2013年
4月13日
勝利 判定
3-0
ノニト・ドネア WBA・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦
WBA防衛5
WBO、リングマガジン王座獲得
13 2013年
12月7日
勝利 判定
3-0
ジョゼフ・アグベコ WBA防衛6・WBO防衛1
14 2014年
7月19日
勝利 KO ソッド・ゴーキャットジム WBA防衛7・WBO防衛2
15 2014年
12月31日
勝利 TKO 天笠尚(山上) WBA防衛8・WBO防衛3
16 2015年
11月21日
勝利 判定
3-0
ドリアン・フランシスコ WBCインターナショナルスーパーバンタム級シルバー王座決定戦
17 2016年
7月16日
勝利 TKO ジェームス・ディケンズ WBA防衛9
18 2017年
6月17日
無効
試合
NC モイセス・フローレス WBA世界スーパーバンタム級王座統一戦
19 2017年
12月9日
敗北 TKO ワシル・ロマチェンコ WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
20 2019年
1月13日
勝利 KO ジョバンニ・デルガド
21 2019年
6月23日
勝利 TKO フリオ・セハ WBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦
22 2019年
12月21日
勝利 判定
2-1
リボリオ・ソリス WBA世界バンタム級正規王座決定戦

 

引用:Wikipedia

 

リゴンドー選手は、主にスーパーバンタム級で長く活動していました。WBA王座を9度防衛するなど、安定王者として君臨していました。リコ・ラモス選手、ノニト・ドネア選手、など歴戦の猛者と戦ってきています。

 

驚くべきは2019年に、長らく戦ってきたスーパーバンタム級から1階級下げ、バンタム級で世界タイトルを獲得したことです。減量苦などの理由から階級を上げて、複数階級制覇を狙う例は数多くあります。しかし、もともと活動していた階級から下げて複数階級制覇に成功した選手はほとんどいません。

 

リゴンドー選手はその偉業を39歳で成し遂げたのです。同じような年齢でダイエットを試みたことがある方は少し分かるかもしれませんが、そもそも代謝が落ちている40歳前後で、普段から節制し、さらに体重を落とすのは大変なことです。

 

そして、その時の対戦相手であるリボリオ・ソリス選手は元世界王者という実績ある選手でした。非常に価値のある2階級制覇と言えます。

ギジェルモ・リゴンドーは来日経験あり?その時の相手は?

実はリゴンドー選手は過去に来日経験があります

WBA・WBO世界スーパーバンタム級統一王者として、天笠尚選手の挑戦を受けるために日本にやってきました。リゴンドー選手は2度ダウンを奪われるなど苦戦しましたが、防衛を果たしました。

 

ここで疑問に思うのが、当時2団体統一王者であったリゴンドー選手が、なぜ、わざわざ日本まで来たのかということです。この時、リゴンドー選手はWBA王座を7度、WBO王座を2度防衛している安定王者でした。活動拠点はアメリカのマイアミで、階級もスーパーバンタムで級であれば、アメリカでいくらでも試合を組めそうな気がします。

 

リゴンドー選手は当時、強すぎるが故に相手がなかなか見つかりませんでした。そして、玄人好みのファイトスタイルのため、本場アメリカであまり人気が出ていませんでした。2団体統一王者になっても、なかなか大金を生み出しにくいボクサーだったのです。

 

挑戦者側からすると、試合をしても勝ち目が薄い、さらにリゴンドー選手の人気の無さゆえ、ファイトマネーも期待できないという考えになってしまいます。挑戦する側としてはハイリスクになってしまうため、リゴンドー選手は避けられていました。そこで相手を探し求め、日本で天笠選手と試合をする運びになったようです。

 

現在、バンタム級で2団体統一世界王者の井上尚弥選手は、バンタム級最強と言われています。しかし、強すぎて避けられるどころか、挑発したり、挑戦したいという選手が後を絶ちません。

 

それは、井上選手が侮られているわけではなく、井上選手の試合は大きな興行収入が見込めるため、対戦するだけで高額のファイトマネーが期待できるからです。たとえ勝てないと分かっていても金銭面にメリットを見出していると思われます。

 

井上選手もスーパーフライ級での王者時代は、強すぎるうえに、まだ世界からの認知度が低かったため対戦を避けられ、相手探しに苦労していました。

ギジェルモ・リゴンドーの次戦は?井上尚弥との対戦はある?

ギジェルモ・リゴンドー選手の次戦は、WBO世界バンタム級王者のジョンリール・カシメロ選手との試合が濃厚です。カシメロ選手の陣営が内定したとの声明を発表しています。一方でWBAはリゴンドー選手にランキング2位のマンヨ・プランゲ選手との指名戦を命じたとの報道もあり、情報が錯綜しています。

 

リゴンドー選手はキャリアとしては黄昏時を迎えているのは確実ですが、まだまだ衰えをあまり感じさせない印象があります。相変わらず相手選びにも苦労しているようなので、無名のプランゲ選手との試合になったとしても、避けずに指名戦を行うでしょう。

 

しかし、カシメロ選手との試合になった方が、王者同士が激突するカードになるということもあり、盛り上がることは必至です。そして、カシメロ選手に勝てば、一気に井上戦への機運が高まると思われます。

 

リゴンドー選手や、カシメロ選手の動きをチェックしておくと、井上選手を中心に回っているバンタム級戦線がより一層楽しめるのではないかと思います。リゴンドーVSカシメロ戦が確定した際は要注目です。

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