世界に名を轟かせているWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥の次戦の話が出てきています。
その相手は、現在、IBF世界ランキング1位のマイケル・ダスマリナス選手です。王者の井上選手にIBFから指名試合の通達があり、試合が組まれることが確実視されています。
ダスマリナス選手は、メジャー4団体の世界タイトルは初挑戦となります。
今回は、世界的知名度は低いですが、次戦の井上選手の相手となるマイケル・ダスマリナス選手について、その強さやボクシングの戦績など深堀していきたいと思います。
目次
マイケル・ダスマリナスのwiki的プロフィール!
出典:TAPOLOGY
マイケル・ダスマリナスのWiki的プロフィール!
名前:マイケル・ダスマリナス
出身地:フィリピン、カマリネススル州ピリ島
誕生日:1992年8月20日
身長:170cm
血液型:不明
所属:MPプロモーション
特徴:サウスポー
ダスマリナス選手は幼少の頃にいとこに誘われてボクシングを始めました。しかし、アマチュアキャリアで記録に残っているのは1試合のみで、その試合は敗北しています。記録されていない試合もあるかもしれませんが、ダスマリナス選手のアマチュア経験は無いに等しいと言ってよいでしょう。
19歳でプロに転向し、キャリアをスタートさせました。当初は線が細く周囲からは虚弱だと言われていたようですが、その時の悔しさを原動力に実力をつけてきたようです。現在ではフィリピン国内で「ネクストパッキャオ」と呼ばれることもあり期待されています。(パッキャオとは世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオのこと。)
実はダスマリナス選手は過去に来日経験があります。元WBC世界バンタム級王者の山中慎介選手や、元WBC世界バンタム級暫定王者の井上拓真選手、現IBF世界スーパーバンタム級王者の岩佐亮佑選手のスパーリングパートナーとして、何度か来日しています。世界的な知名度はありませんが、日本のボクシング関係者の間では名が知られた選手です。
マイケル・ダスマリナスの戦績と強さは?
こちらがマイケル・ダスマリナス選手の戦績です。
33戦30勝2敗1分(20KO)
戦 | 日付 | 勝敗 | 内容 | 対戦相手 | 備考 |
1 | 2012年 1月15日 |
勝利 | 判定 3-0 |
ウィルマー・プラガタ | |
2 | 2012年 2月10日 |
勝利 | TKO | ジミー・ビシーサ | |
3 | 2012年 2月18日 |
勝利 | TKO | ゲリー・パテニオ | |
4 | 2012年 4月21日 |
敗北 | KO | マルボン・ボディオンガン | |
5 | 2012年 6月30日 |
勝利 | TKO | チャーリー・ガブリエル | |
6 | 2012年 8月16日 |
勝利 | 判定 3-0 |
ネルソン・ザバラ | |
7 | 2012年 9月21日 |
勝利 | 判定 3-0 |
ジュンジュ・ローザ | |
8 | 2012年 10月28日 |
勝利 | TKO | マベルト・パウリノ | |
9 | 2012年 12月13日 |
勝利 | 判定 2-1 |
マイク・エスパノサ | |
10 | 2013年 1月27日 |
勝利 | TKO | ジャンリー・カネテ | |
11 | 2013年 3月11日 |
勝利 | TKO | ローランド・ニオネス | |
12 | 2013年 4月13日 |
勝利 | TKO | ジェラルド・コルテス | |
13 | 2013年 6月1日 |
勝利 | TKO | ローランド・ニオネス | |
14 | 2013年 8月4日 |
勝利 | 判定 3-0 |
ピットアナカヤ | |
15 | 2013年 11月16日 |
勝利 | 判定 3-0 |
レンレン・パセグナヒン | |
16 | 2014年 3月29日 |
勝利 | TKO | ゾレン・パマ | |
17 | 2014年 5月26日 |
勝利 | 棄権 | エルベール・ガーディアリオ | |
18 | 2014年 7月30日 |
勝利 | 判定 3-0 |
木村隼人 | |
19 | 2014年 9月21日 |
勝利 | TKO | オスカー・レクナファ | |
20 | 2014年 12月13日 |
敗北 | 判定 1-2 |
ルワンダール・シティータータ | IBO世界スーパーフライ級王座獲得失敗 |
21 | 2015年 1月31日 |
勝利 | KO | アロエル・ロマササ | |
22 | 2015年 4月24日 |
勝利 | TKO | ロイ・ラグラダ | |
23 | 2015年 7月11日 |
勝利 | 判定 3-0 |
ジャリル・パヤオ | WBCスーパーフライ級ユース王座獲得 |
24 | 2015年 11月3日 |
勝利 | KO | ウィサンレック・スリサケットパッタナ | WBCスーパーフライ級ユース王座初防衛 |
25 | 2016年 3月7日 |
勝利 | 棄権 | エジソン・ベルウェラ | PBF比国スーパーフライ級暫定王座獲得 |
26 | 2016年 4月29日 |
勝利 | TKO | ジェッカー・ブハウェ | PBF比国バンタム級王座獲得 |
27 | 2016年 9月28日 |
勝利 | 判定 3-0 |
マイケル・エスコビア | |
28 | 2017年 8月24日 |
勝利 | KO | マテオ・ハンディング | |
29 | 2017年 10月20日 |
勝利 | KO | プーファ・ポーノブノム | |
30 | 2018年 4月20日 |
勝利 | TKO | カリム・ゲルフィ | IBO世界バンタム級王座獲得 |
31 | 2018年 9月29日 |
引分 | 判定 1-1 |
マニヨ・プランジュ | |
32 | 2019年 3月23日 |
勝利 | 判定 3-0 |
ケニー・デメシリョ | |
33 | 2019年 10月26日 |
勝利 | TKO | アルテド・ソーウォラピン |
ダスマリナス選手は現在28歳にして33戦のキャリアがあります。高いKO率を誇り強打を武器としています。
母国であるフィリピン国内での試合がキャリアの大半を占めています。いろいろな選手のスパーリングパートナーとしての来日経験も豊富ですが、18戦目の木村隼人選手との試合は日本で行われ、日本国内での試合経験もあります。
獲得タイトルとしては、WBCのユース王座、フィリピン国内王座、マイナー団体のIBO王座を獲得しています。強豪やビッグネームとの試合はほぼありませんが、地道に勝ち上がって世界ランキングを上げてきた選手です。
マイケル・ダスマリナスは井上尚弥に挑戦する?
WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥選手の次戦は、ファンとしては非常に気になるところです。WBO同級王者のジョンリール・カシメロ選手や、WBC同級王者のノルディーヌ・ウバーリ選手との統一戦が期待されています。
しかし、次戦はIBF世界ランキング1位のマイケル・ダスマリナス選手が有力です。ビッグマッチを期待していたファンは少し拍子抜けするかもしれませんが、これには理由があります。
ダスマリナス選手は、2019年3月の時点で、IBF王座の挑戦者決定戦に勝利し、ランキング1位となったれっきとした指名挑戦者です。しかし、井上選手がWBSSに出場していたため、挑戦を待たされていました。
WBSSが終わり、井上選手に挑戦できるかと思われましたが、コロナ禍に見舞われました。当時、フィリピンは特に出入国の制限が厳しく、日程調整が全くできなくなってしまったのです。コロナ対策ができつつある今、ようやく井上選手との試合が現実味を帯びてきました。
マイケル・ダスマリナスと井上尚弥の試合はどうなる?
対戦した場合は井上選手が圧倒的に有利でしょう。ダスマリナス選手の試合を見てみると、井上選手とはテクニック面で圧倒的な差を感じます。井上選手が昨年11月に対戦したジェイソン・モロニー選手の方が強いのではないかという印象です。
実力差があるとは思いますが、ダスマリナス選手には1発のパワーがあります。勝機があるとしたらそこかもしれません。
ランキング1位の指名挑戦者とはいえ、ダスマリナス選手は井上選手からしたら格下です。しかし、やってみなければわからないところに勝負事の面白さがあります。見る側としてはスリリングで見ごたえのある試合を期待したいところです。