2020年大晦日に、ケガからの復帰戦となるタイトルマッチを見事に制し、RIZIN王座奪還を果たした堀口選手。
その約1年後、格闘技ファンの期待通り、元々自身が獲得していたBellatorの王座奪還へ挑戦することとなりました。
が、結果としては日本格闘技ファンにとってショックなものとなってしまいました・・・
まさに悲劇です。
今回の記事では、堀口選手はなぜ敗北したのかを、対戦相手、試合展開、当時の会場の状況等を深堀して解析してみたいと思います。
目次
対戦相手「セルジオ・ペティス」選手とは
真っ先に気になるのは、どんな選手が堀口選手相手に防衛を成功させたのか?ですよね。
そんなBellatorバンタム級王者セルジオ・ペティス選手についてまとめます。
王座返還後のチャンピオン変遷
堀口選手がケガにより王座を返還した際、勿論RIZINだけではなく、Bellatorでも空座争奪戦は行われました。
この争奪戦は、パトリック・ミックス選手を下し、フアン・アーチュレッタ選手が獲得しました。
その約半年後に行われたタイトルマッチにて、セルジオ・ペティス選手が王座となっているため、ペティス選手は堀口選手の王座返還後の王者では無く、間に一人挟んでいる変遷となっています。
ちなみにペティス選手は、Bellator敗け無の状態でタイトルマッチに勝利し、堀口選手から初防衛を成功させているため、未だにBellatorでは無敗の状態です。
UFCランキング元1位!
堀口選手同様、ペティス選手もUFCを主戦場としていた実績の持ち主です。
堅実なガードワークと得意な立ち技を駆使し、なんとUFCフライ級ランキング1位に輝いていました。
意外にも判定の比率が高く、6割近くが判定勝ちとなっています。
この数値からは、レベルの高いガードを用いて試合コントロールが得意であることが読み取れますね。
堀口選手vsペティス選手 タイトルマッチの試合展開
本題である、堀口選手とペティス選手のタイトルマッチの内容に触れてみたいと思います。
両者の第一印象
計量時のフェイスオフでもかなり感じましたが、ペティス選手がデカい。
試合当日は体重も十分に戻してきているので、さらにデカさが際立っていました。
元々フライ級の選手であることや、堀口選手が小柄な選手であることも相まって、観戦側からもペティス選手の身体から重圧を感じ取れました。
主導権は堀口選手に!!
試合は開始序盤から堀口選手が主導権を握り、ゲームをコントロールする状況になります。
立ち技とテイクダウンを織り交ぜ、グランド状態でペティス選手を完全に抑え込みます。
2Rに目下をカットしてしまいますが、色目無に見ても堀口選手が優位に試合を進める展開が続きます。
試合会場でブーイング?なぜ?
実はこのタイトルマッチの最中に会場からブーイングが起こっています。
このブーイングの理由としては、グランドの駆け引きを傍目から見ていても面白みに欠けるという点が一番かと思われます。
また、会場がカジノ内に設営されていたらしく、格闘技に興味が無い人も少なからず観戦していたようで、そのような客層からは益々つまらなく感じてしまうかもですね。
ただ、両者が必死に試合をしているのに、ブーイングするのは・・・ねぇ。
悲劇の瞬間 なぜあのバックブローは当たったのか?
試合をどんなに優位に進めていても、一発貰ってしまえば全てが覆されるのが格闘技の醍醐味でもあり、恐ろしさです。
日本格闘技のファンにとって悲劇の瞬間がなぜ起きたのか?
考察してみます。
得意の「出入り」は封じた?
堀口選手の原点であり、強みである古流空手特有の素早い出入りは、最早代名詞と言ってもいいでしょう。
その動きが、このタイトルマッチではあまり見られなかったという印象を受けました。
これには色々な憶測があるかと思われます。
まずはケガの件です。
足への負担を考慮し、素早い出入りを敬遠。なるべくインファイトを行う判断をしていた可能性があります。
これは朝倉 海選手とのタイトルマッチでも同様の印象を受けました。
まぁあの時は、ケガした足で全力のカーフキックを放っていましたが。
もう一つ考えられるのは、ペティス選手のプレッシャーです。
前述した通り、体格差が顕著に出ていたように見られるこの試合、ペティス選手からの重圧で、思った通りに出入りができなかった可能性も十分にあるのでは無いでしょうか?
上記の要因が的中しているのかは定かではありませんが、立ち合いの際、二人の間合いがかなり近かったことは見てとれる事実です。
立ち技へ作戦変更?
これは、インタビューにて本人の口からも発言がありました。
堀口選手の挑戦し続けるモチベーションは、周囲の人を喜ばせたい、格闘技を盛り上げたいという気持ちにあります。
前述したブーイングの件が引っ掛かり、会場を盛り上げるために作戦変更。
グランドによる判定勝では無く、立ち技でペティス選手へ挑みます。
そのまま試合をしていれば、堀口選手の勝利だったでしょう。
が、立ち技でも勝てると踏んだ判断だったようです。
運命の第4ラウンド
3ラウンド終了まで、完全に優性な状態で試合をコントロールしていた堀口選手。
しかし、上述した理由もあり、遂にそのバックブローが顎に直撃します。
そもそもあのキックをダッキングで回避するのも凄いことですが、ペティス選手のバックブローも素早く、かつ正確な攻撃でした。
ペティス選手の蹴り方を観るに、蹴り自体はブラフ、本命はバックブローであることが読み取れます。
そのまま失神してしまった堀口選手・・・
あぁ・・・悲劇です。
堀口選手の撃たれ弱さという弱点が見えたようにも思えました。
また、このダメージについては問題なく回復しており、元気な姿を見せてくれています。
挑戦は終わらない!次の展開は?
既に次の目標は決まっています。
来年開催されるBellatorバンタム級トーナメント優勝です!
本人もこのトーナメントで勝ち上がり、必ずリベンジすることを宣言しています。
RIZINで魅せてくれた、あの復活劇の再来に期待しましょう。