2017年RIZIN女子スーパーアトム級トーナメントにて、見事優勝を果たした浅倉カンナ選手。
トーナメント優勝の翌年、RIZINスーパーアトム級王座まであと一歩及ばず、タイトルを獲得できないまま、3年の月日が経ちました。
そして現在、再びその王座奪還のため奮闘を続けるカンナ選手。
しかし、そんな思いと裏腹に、思うような戦績を出せず苦しい状況に陥っています。
この記事では、そんなカンナ選手の立たされている状況と、女王となるためには何が必要なのか?
考察してみたいと思います。
目次
カンナ選手の現立ち位置
まず最初に、カンナ選手の立ち位置について整理したいと思います。
2018年タイトルマッチ敗北後
2018年 RIZIN14にて行われたRIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチ。
元世界王者である浜崎 朱加選手に一本敗けを喫し、後一歩のところでタイトル獲得を逃してしまいます。
試合展開としても、浜崎選手の実力に圧倒され、自分の持ち味を出せないまま敗北してまったような状況でした。
その後、山本 美憂選手に判定負けを喫するものの、BELLATOR JAPANにてアメリカのMMAチャンピオンであるジェイミー・ヒンショー選手や、同じくレスリング出身でMMA無敗だったあい選手にも勝利し、着実に実績を積んでいきます。
が、中々タイトルマッチに絡むことができない状況が続くことに・・・
やってきた王座へのチャンスはリベンジマッチ!
2021年3月 RIZIN27にて、またしても浜崎選手とのタイトルマッチが決定します。
この時、浜崎選手は一度王座から陥落していたため、3代目王者としてカンナ選手の挑戦を受けています。
実に2年半越しのリベンジマッチ。
自身の成長を証明するため挑みますが、2-1のスプリット判定敗けを喫し、リベンジ失敗となります。
以前のタイトルマッチとは違い、3Rを闘い切り、元々の作戦でも判定までもつれ込み粘り勝つ見込みだったそうですが、序盤の浜崎選手に呑まれてしまった分、浜崎選手に軍配が上がってしまった印象です。
ただ、浜崎選手も試合後に話していた通り、確実に強くなっている姿を日本中に見せてくれていました。
王座に向かって再出発!しかし・・・
またしても浜崎選手に敗北したカンナ選手。
しかし!今回も諦めずにもう一度実績を積み直せば沙緒莉問題無いと、再び王座を目指します。
その第一歩として決まった対戦対手は、大島 沙緒里選手です。
大島選手は、柔術出身の選手で、経験、実績を合わせ持っています。
MMAの経験は2019年から、プロデビューは2020年からと経験は浅いものの、既にDEEP女子ミクロ級、DEEP JEWELSアトム級の2冠王者となっています。
そんな勢いのまま、2021年10月 RIZIN31にてRIZINデビューを果たします。
デビュー戦からカンナ選手と試合が決まったのも、その実績があったからなのでしょう。
試合結果としては、1-2スプリット判定となり、カンナ選手は2連敗となってしまいます。
展開としても終始劣勢と言っても過言では無く、大島選手の寝技を警戒してか、パウンドからの攻撃も上手く極めれず、逆に蹴り上げによるダメージを蓄積させられた印象でした。
タイトルマッチに敗け、ここから!という時に勢いのあるRIZINルーキーに敗北してしまったカンナ選手。
さらに王座から遠のいてしまった。といった状況でしょうか。
2連敗を振り返ってみる
次に直近の2連敗について、内容、敗因を深堀してみます。
スプリット判定による敗け
格闘技では、皆さんご存知の通りKOやタップアウト、レフェリーストップにて勝敗が決まらなかった際は、最終的に判定により試合が決まります。
この際の判定基準として、以下の3点があります。
1.相手に与えたダメージ
→そのままの意味ですね。その試合でよりダメージを与えた方が有利。
2.アグレッシブネス
→いかに積極的に攻勢だったか?といった点で評価。
3.ジェネラルシップ
→試合の主導権について評価。
上記を総合し、勝敗を決する訳ですが、評価者の主観に委ねられることになります。
ここで重要なのは、2敗ともスプリット、つまりカンナ選手が勝っていると判断した判定者も居るという点です。
どちらの敗北も完敗では無く、勝てる要素も十分にあったと言えるのでは無いでしょうか?
対「柔術」は苦手?
レスラー選手によくある弱点らしいのですが、足掛け系の技への耐性があまり無いらしいです。
実際、浜崎選手との試合、大島選手との試合でも、足を掛けられて簡単に倒れてしまうシーンが確認できます。
カンナ選手も寝技が得意ですが、”持ち込んだ”のと”持ち込まれた”では訳が違いますよね。
並みの選手であれば、そこから巻き返せるかもしれませんが、特に直近の2試合は、相手もグラップリングに自身のある相手ということもあり、中々自分のペースで試合ができなかったのかもしれません。
念願の女王となるためには?
始めて挑んだタイトルマッチから、着実に成長を魅せているカンナ選手。
しかし、18勝のうち11勝が判定である点や、前述したスプリット判定敗けのような「勝てたかもしれない敗戦」を2回連続で喫している点を観るに、やはり決定力不足である点があると見ています。
個人的には、得意とするグラップリング能力を特化させ、寝技に持ち込む、または持ち込まれても一本を決めに行ける選手になって欲しいと考えています。
2度も王座を目の前にし、手にできなかったカンナ選手。
3度目の正直を信じ、もう一度実績を積み重ね王座へ挑んで欲しいと思います。