ボクシングは世界中で行われており、格闘技の中では最も大金を稼ぐことができる競技とされています。
現WBC世界ミドル級フランチャイズ王者であり、現WBAスーパー・WBC世界スーパーミドル級王者のサウル・アルバレス選手をご存じでしょうか。「カネロ」の愛称で親しまれ、世界中に多くのファンを持つメキシコ人ボクサーです。日本にも多くのファンが存在しています。
アルバレス選手は現在、最も大金を稼いでいるボクサーとしても知られています。どのくらいのファイトマネーを稼いでいるのかも含めつつ、今回はアルバレス選手について掘り下げていきたいと思います。
目次
サウル・アルバレスのwiki的プロフィール!

出典:DAZN NEWS
サウル・アルバレスのWiki的プロフィール!
名前:サウル・アルバレス
出身地:メキシコ ハリスコ州グアダラハラ市
誕生日:1990年7月18日
身長:175cm
血液型:不明
所属:フリー
趣味やその人の特徴等:世界4階級制覇王者
サウル・アルバレス選手は8人兄弟の末っ子として生まれました。8人兄弟のうちアルバレス選手を含めた7人は男で、全員プロボクサーになっています。兄弟のひとりであるリゴベルト・アルバレス選手は元WBA世界スーパーウェルター級暫定王者でした。
アルバレス選手は日本のメディアでも頻繁に「カネロ」というニックネームで呼ばれています。「カネロ」とはスペイン語でシナモンという意味ですが、赤毛のことを指すそうです。
アルバレス選手の兄弟は全員父親に似た黒髪ですが、アルバレス選手だけは母親似の赤毛です。子どもの頃のアルバレス選手にボクシングの指導をしていたトレーナーが「カネロ」と呼び始めたのが定着していったとされています。
アルバレス選手は13歳からボクシングを始めました。メキシコ国内のジュニア大会では優勝を経験しています。アルバレス選手は16歳という若さでプロデビューしているため、20戦ほどしかアマチュア経験がありません。現代でアマチュア経験なく、世界で最も成功したプロボクサーになれたことに類まれなる才能を感じます。
サウル・アルバレスの戦績は?その強さは?
こちらがサウル・アルバレス選手の戦績です!
プロ戦績:58戦55勝(37KO)1敗2分
戦 日付 勝敗 内容 対戦相手 備考 1 2005年
10月29日勝利 TKO アブラハム・ゴンサレス プロデビュー戦 2 2005年
11月26日勝利 KO パブロ・アルバラード 3 2006年
1月20日勝利 判定
2-1ミゲル・バスケス 4 2006年
2月10日勝利 KO ペドロ・ロペス 5 2006年
6月17日引分 判定
1-1ホルヘ・スアレス 6 2006年
7月21日勝利 KO ファン・エルナンデス 7 2006年
9月15日勝利 KO クリスチャン・エルナンデス 8 2006年
9月29日勝利 KO フランシスコ・ヴィラヌエバ 9 2006年
12月8日勝利 KO ダニエル・マルチネス 10 2007年
3月2日勝利 TKO ハビエル・マルチネス 11 2007年
3月30日勝利 KO イワン・イレスカス 12 2007年
5月19日勝利 KO ビクター・マルケス 13 2007年
6月1日勝利 TKO ヘスス・アベル・エルナンデス 14 2007年
8月18日勝利 判定 3-0 クリスチャン・ソラーノ 15 2007年
8月31日勝利 判定 3-0 リカルド・カノ ハリスコ州ウェルター級タイトルマッチ 16 2007年
12月15日勝利 TKO ショーン ・ ホリー 17 2008年
2月22日勝利 KO アクセル・ロドリゴ・ソリス 18 2008年
3月14日勝利 TKO フランシスコ・ヴィラヌエバ ハリスコ州王座防衛1 19 2008年
4月18日勝利 TKO ガブリエル・マルチネス WBAフェデセントロウェルター級王座決定戦 20 2008年
6月6日勝利 判定 2-1 フランシスコ・ヴィラヌエバ 21 2008年
6月28日勝利 判定 3-0 ミゲル・バスケス 22 2008年
8月2日勝利 判定 3-0 カルロス・アダン・ヘレス WBAフェデセントロ防衛1 23 2008年
10月24日勝利 判定 3-0 ラリー・モズリー 24 2008年12月5日 勝利 TKO ラウル・ピンゾン WBAフェデセントロ防衛2 25 2009年
1月17日勝利 TKO アントニオ・フィッチ NABF北米ウェルター級王座獲得 26 2009年
2月21日勝利 TKO ユーリ・ゴンサレス NABF防衛1・WBOラテンアメリカ王座獲得 27 2009年
4月11日勝利 TKO マイケル・ロサレス NABF防衛2 28 2009年
6月6日勝利 KO ジェファーソン・ルイス・ゴンカロ NABF防衛3 29 2009年
8月8日勝利 KO マラト・クゼエフ WBC世界ウェルター級ユース王座決定戦 30 2009年
9月15日勝利 TKO カルロス・レオナルド・ヘレラ WBCユース防衛1 31 2009年
12月5日勝利 判定 3-0 ラナルド・タイナー NABF防衛4 32 2010年
3月6日勝利 KO ブライアン・カメチス NABF防衛5 33 2010年
5月1日勝利 TKO ホセ・ミゲル・コット 34 2010年
7月10日勝利 TKO ルシアノ・レオネル・クエリョ WBC世界スーパーウェルター級シルバー王座決定戦 35 2010年
9月18日勝利 KO カルロス・バルドミール WBCシルバー防衛1 36 2010年
12月4日勝利 判定
3-0ラブモア・ヌドゥ WBCシルバー防衛2 37 2011年
3月5日勝利 判定
3-0マシュー・ハットン WBC世界スーパーウェルター級王座決定戦 38 2011年
6月18日勝利 TKO ライアン・ローズ WBC防衛1 39 2011年
9月17日勝利 TKO アルフォンソ・ゴメス WBC防衛2 40 2011年
11月26日勝利 TKO カーミット・シントロン WBC防衛3 41 2012年
5月5日勝利 判定
3-0シェーン・モズリー WBC防衛4 42 2012年
9月15日勝利 TKO ホセシート・ロペス WBC防衛5 43 2013年
4月20日勝利 判定
3-0オースティン・トラウト WBA・WBC世界スーパーウェルター級王座統一戦 WBC防衛6 44 2013年
9月14日敗北 判定
0-2フロイド・メイウェザー・ジュニア WBA・WBC世界スーパーウェルター級王座統一戦 45 2014年
3月8日勝利 TKO アルフレド・アングロ 46 2014年
7月12日勝利 判定
2-1エリスランディ・ララ 47 2015年
5月9日勝利 KO ジェームス・カークランド 48 2015年
11月21日勝利 判定
3-0ミゲール・コット WBC世界ミドル級タイトルマッチ 49 2016年
5月7日勝利 KO アミール・カーン WBC防衛1 50 2016年
9月17日勝利 KO リアム・スミス WBO世界スーパーウェルター級タイトルマッチ 51 2017年
5月6日勝利 判定
3-0フリオ・セサール・チャベス・ジュニア 52 2017年
9月16日引分 判定
1-1ゲンナジー・ゴロフキン WBA・WBC・IBF世界ミドル級タイトルマッチ 53 2018年
9月15日勝利 判定
2-0ゲンナジー・ゴロフキン WBAスーパー・WBC世界ミドル級タイトルマッチ 54 2018年
12月15日勝利 TKO ロッキー・フィールディング WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ 55 2019年
5月4日勝利 判定
3-0ダニエル・ジェイコブス WBA・WBC・IBF世界ミドル級王座統一戦 WBA防衛1・WBC防衛1・IBF王座獲得 56 2019年
11月2日勝利 TKO セルゲイ・コバレフ WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ 57 2020年
12月19日勝利 判定
3-0カラム・スミス WBA世界スーパーミドル級王座統一戦 WBA防衛1・WBC王座獲得 58 2021年
2月27日勝利 TKO アブニ・イルディリン WBA防衛2・WBC防衛1 引用:Wikipedia
16歳でキャリアをスタートさせたアルバレス選手は、現在30歳ですがすでに58戦のキャリアを誇ります。58戦して55勝しています。唯一の黒星は、日本ではキックボクサーの那須川天心選手とエキシビションマッチを行ったことで有名なフロイド・メイウェザー・ジュニア氏につけられたものです。
アルバレス選手はスーパーウェルター級からキャリアをスタートさせ、ライトヘビー級まで階級を上げ、世界4階級制覇を達成しています。近年はゲンナジーゴロフキン選手、ダニエル・ジェイコブス選手など厳しい相手とばかり試合を行っていますが、勝利して強さを証明してきました。
特にライトヘビー級に階級を上げ、当時のWBO王者セルゲイ・コバレフ選手との試合では、自分より大柄でパワーのあるコバレフ選手をKOで沈め世界のボクシングファンを驚愕させました。
アルバレス選手はKO数からも分かるハードパンチャーでもありますが、近距離でのカウンターを合わせる技術にも長けています。そしてメキシコ人ボクサーには珍しいボディ打ちのうまさにも定評があります。
ハードパンチャーでありながらも細かな技術のレベルが非常に高いことが、勝ち続けることができた理由なのではないかと思います。
サウル・アルバレスのファイトマネーは?世界一稼ぐボクサーって本当?
サウル・アルバレス選手は現在、現役選手の中では最も大金を稼ぐボクサーです。2018年には当時所属していたゴールデンボーイプロモーションを通し、サブスク型のスポーツ専門チャンネルであるDAZNと11試合で410億円の独占放送契約を結びました。前代未聞の大型契約に世界中が驚愕しました。
1試合ではおよそ37億円を稼ぐことになります。アルバレス選手はそういった条件で3試合行いました。しかし、その後はDAZN側とマッチメイクで揉めたことと、コロナ禍で計画通り興業が行えなくなったこともあり、契約は途中で解除となりました。
2020年からはフリーとなっておりプロモーション会社とは契約せず、イギリス最大手のプロモーションであるマッチルームの創設者のエディー・ハーン氏と個人的に試合ごとに契約しています。
フリーにとなってからも昨年12月に行われたカラム・スミス戦では2億5000万円、今年の2月に行われたアブニ・ユリディン戦では1億5000万円を稼いでいます。
1試合37億円の頃から考えると、直近の2試合のファイトマネーは少なく感じてしまいます。しかし、コロナ過で興行収入があまり見込めない状況にもかかわらず、フリーの立場でたった2試合で4億円を稼ぐ選手はアルバレス選手の他にはいないでしょう。
サウル・アルバレスの次戦は?今後はどうなる?
アルバレス選手の次戦は、WBO世界スーパーミドル級王者のビリー・ジョー・ソーンダース選手との統一戦が5月8日にアメリカのダラスで開催されます。
統一戦である上に、ビリー・ジョー・ソーンダース選手はたびたび不祥事を起こしたりと何かと話題性のある王者なので盛り上がることは間違いないでしょう。
アルバレス選手はWBO王座の奪取後は、IBF王者のカレブ・プラント選手との試合を行いたいと考えているようです。そして、2021年中に4団体統一を狙っています。
アルバレス選手が活躍するスーパーミドル級の1階級下のミドル級にはWBAスーパー王者の村田諒太選手がいます。村田選手が減量苦から階級を上げるとなると、アルバレス選手を避けては通れません。
ボクシング界のスーパースターと日本人選手が激突する可能性もあります。アルバレス選手に注目しておくと今後日本のファンにとっても面白い展開になるかもしれません。