現在ボクシングの日本人世界王者は7人存在しています。
その中のひとりであるIBF世界スーパーバンタム級暫定王者の岩佐亮佑(いわさ りょうすけ)選手をご存じでしょうか。同級では名実ともに日本人トップの実力者と言える選手です。
岩佐選手は現在は暫定王者ですが、3月以降にWBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王者であるムロジョン・アフマダリエフ選手とIBF王座の統一戦が計画されています。
今回は濃密なキャリアを誇りながらも、さらなる飛躍を続ける岩佐選手について深堀していきたいと思います。
目次
岩佐亮佑のwiki的プロフィール!
出典:The Ring
岩佐亮佑のWiki的プロフィール!
名前:岩佐 亮佑(いわさ りょうすけ)
出身地:千葉県柏市
誕生日:1989年12月26日
身長:171cm
血液型:O型
所属:セレス小林ジム
趣味:車いじり
岩佐選手は中学2年生の時に、地元である千葉県柏市のセレス小林ジムでボクシングを始めました。
中学卒業後にプロを目指すつもりでしたが、会長であるセレス小林氏の勧めで習志野市立習志野高校に進学します。習志野高校は高校ボクシングの名門であり、そこで岩佐選手はアマチュアキャリアを積みました。高校3年時には、選抜、インターハイ、国体の3冠を達成し、卒業後にプロへ転向しました。
岩佐選手の地元にセレス小林ジムがあったことが、環境面で非常に恵まれていたと思います。セレス小林氏は元WBA世界スーパーフライ級王者です。元世界王者が会長を務めるジムで中学生の頃から学べたことは、岩佐選手にとって大きな糧になっているのではないでしょうか。
岩佐亮佑の戦績は?そしてその強さは?
こちらが岩佐亮佑選手の戦績です!
プロ戦績:30戦27勝(17KO)3敗
戦 日付 勝敗 内容 対戦相手 備考 1 2008年
8月2日勝利 TKO 高橋慎弥 プロデビュー戦 2 2008年
10月16日勝利 判定
3-0エドガー・アレンデ 3 2009年
2月21日勝利 TKO 花木章年 4 2009年
5月16日勝利 KO ウォーラウット・ムアンシマ 5 2009年
9月5日勝利 TKO ファラソナ・フィダル 6 2010年
1月16日勝利 判定
3-0マービン・タンパス 7 2010年
4月15日勝利 TKO 佐藤裕樹 8 2010年
9月5日勝利 TKO 臼井欽士郎 2010年最強後楽園バンタム級トーナメント決勝 9 2011年
3月5日敗北 TKO 山中慎介 日本バンタム級タイトルマッチ 10 2011年
8月6日勝利 TKO ラス・マヌディン 11 2011年
11月18日勝利 判定
3-0ゼロフィット・ジェロッピ瑞山 日本バンタム級王座決定戦 12 2012年
3月3日勝利 KO 村井勇希 日本王座防衛1 13 2012年
7月7日勝利 TKO 益田健太郎 日本王座防衛2 14 2012年
10月27日勝利 判定
3-0デビッド・デラモラ 15 2013年
3月2日勝利 判定
3-0マーク・ジョン・ヤップ 16 2013年
7月6日勝利 判定
3-0ジェッカー・ブハウェ 17 2013年
12月6日勝利 TKO 椎野大輝 OPBF東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ 18 2014年
3月25日勝利 判定
2-0リチャード・プミクピック OPBF防衛1 19 2014年
9月6日勝利 KO ロミー・ワッサー 20 2015年
2月18日勝利 TKO リカルド・ロア 21 2015年
6月13日敗北 TKO リー・ハスキンス IBF世界バンタム級暫定王座決定戦 22 2015年
11月24日勝利 負傷判定3-0 マーロン・アルシリャ 23 2016年
2月6日勝利 TKO デニス・トゥビエロン 24 2016年
7月12日勝利 KO パトムシス・パトムポートン 25 2017年
3月2日勝利 TKO グレン・メデュラ 26 2017年
9月13日勝利 TKO 小國以載 IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 27 2018年
3月1日勝利 判定
3-0エルネスト・サウロン IBF防衛1 28 2018年
8月16日敗北 判定
0-3テレンス・ジョン・ドヘニー IBF王座陥落 29 2019年
2月16日勝利 負傷判定2-0 セサール・フアレス IBF世界スーパーバンタム級王座挑戦者決定戦 30 2019年
12月7日勝利 TKO マーロン・タパレス IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦 引用:Wikipadia
戦績を見ると、岩佐選手は2017年に世界王者になっています。しかし、2度目の防衛に失敗し陥落しました。その後、再起し、一昨年の12月にアメリカでタパレス選手との王座決定戦を制し、暫定ながらも再び世界王者に返り咲いています。
日本人としては6人目となるアメリカでの世界王座奪取となっており、価値あるベルトと言えるでしょう。
岩佐選手の特徴や強さは?
岩佐選手はイーグル・アイ(鷲の目)という異名を持っています。鷲に例えられるほど動体視力が良いということです。
ファイトスタイルとしては基本的にはテクニックでポイントアウトを狙うボクサータイプです。しかし、鋭い左ストレートにも定評があります。
玄人好みのファイトスタイルであり、ディフェンスに偏りがちな試合も多くありましたが、最近ではチャンスで一気に勝負をかける思いきった作戦をとることもあり、ファンを沸かせています。
岩佐亮佑は海外で試合経験あり?その評価は?
実は岩佐選手は直近の2試合をアメリカで行っています。
・セサール・フアレス戦
負傷判定により岩佐選手が勝利しました。この試合の岩佐選手は守勢に回らず、追い込まれても引かない姿勢を見せました。この試合に勝利したことによりアメリカで一定の評価を得たと思われます。
出典:Ringnews24
・マーロン・タパレス戦
強打のタパレス選手を相手に、終始引くことなく、KO勝ちで勝利を収めました。世界のボクシングファンにとって驚きの結果となり、この試合で岩佐選手は一気に世界的な評価を得ました。
岩佐選手は、アメリカでの試合を経て、得意のディフェンスを活かしつつも、アグレッシブなファイトスタイルを確立しつつあります。今後も見ごたえのある試合を続けられれば、世界的な人気がより高まっていくのではないでしょうか。
岩佐亮佑の今後は?次戦はいつ?井上尚弥と対戦する可能性はある?
岩佐選手の次戦は、WBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王者のムロジョン・アフマダリエフ選手との試合が濃厚です。アフマダリエフ選手が持つIBF正規王座と、岩佐選手が持つIBF暫定王座の統一戦になります。3月以降に王者のホームであるウズベキスタンのタシケントで行われるという情報があります。
2団体統一王者となっているアフマダリエフ選手ですが、世界的な人気があるとは言えません。しかし、アメリカで知名度を上げてきている岩佐選手が勝利すれば、今後、ビッグマッチに繋がることは確実です。
また、現在WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥選手は、4団体のバンタム級王座を全て統一した後に、岩佐選手が主戦場とするスーパーバンタム級に1階級上げることが確実視されています。
その時に岩佐選手がIBF王座を保持していた場合、井上選手と激突する可能性が大いにあります。両選手ともIBFのタイトルホルダーの経験があり、IBFとの関りは深いため、井上選手が階級を上げた1戦目に世界戦として試合が組まれることも考えられます。実現した場合、日本人だけでなく世界のボクシングファンにとっても楽しみなカードになりそうです。
今後、岩佐選手が勝ち続けることによって、スーパーバンタム級で見ごたえのある対戦が増えてくることが予想されます。豊富なキャリアがありながらも挑戦を続ける岩佐選手を応援していきたいと思います。