昨今の格闘技ブームの影響により、多少なりとも格闘技に興味を持つ方も多くなったのでは無いでしょうか?
魅力的な格闘家も多く、たった一人でも推せる選手を見つけることができれば、楽しむだけでは無く、成長していく姿に心打たれることでしょう。
そんな格闘技も、競技としてはいくつかの種目に分かれています。
ボクシング、キックボクシング、MMA…etc.
種目や団体の垣根を超え活躍する選手も多く存在していますが、昨今、キックボクシングからボクシングへ転向する選手が散見されます。
どんな選手が転向しているのか?なぜ転向するのか?
そんな疑問について、考察してみたいと思います。
目次
ボクシングへ転向、転向予定の選手
まず初めに、転向した、または転向予定の選手を紹介したいと思います。
武居 由樹選手
今回紹介する選手の中で、唯一ボクサーとしてデビューしている選手です。
武居選手は元K-1ファイターで、元スーパーバンタム級王者。選手としての特徴は軽量級とは思えないKO率の高さです。
キックボクシングルールの戦績は、23勝16KOとKO率が70%を超えています。
武居選手の強さについて、魔裟斗氏は「バレリーナのような足運びに鉄球のようなパンチ」と表現していました。
ボクシング転向後の活躍も凄まじく、現在3試合3勝と絶好調です。
また、全試合1ラウンドKOという驚異的な内容で、試合を重ねるごとにボクサーとしての動きが洗練されているように感じます。
木村・フィリップ・ミノル選手
ミノル選手も元K-1ファイターで、元スーパーウェルター級王者です。
「戦慄のブラジリアンフック」の異名そのままに、ヘビー級のようなパンチを放つ選手でガード上からでもダメージを与えたり、相手の身体が吹っ飛ぶほどの威力が魅力です。
2021年12月の試合を機にK-1から退いており、現在は次ステージへ向けての準備中とのこと。
この次のステージというのがボクシングであることを、自身の口から明言しています。
上記の通り、パンチ力が魅力の選手のため、ボクシングという競技で如何に発揮されるか、気になる所ですね。
那須川 天心選手
言わずと知れた、日本が世界に誇る選手の一人である那須川天心選手。
大晦日でRIZINを、6月の武尊選手との試合をもってキックボクサーを卒業することを表明しています。
また、次の挑戦先がボクシングであることも、既に発表されています。
この次のステージについては、個人的にはMMAでも面白かったな、と思ってます。
那須川選手の持ち味である高い格闘IQや、キレ味抜群の体裁きをどうボクシングで活かすのか想像するだけで楽しみですね。
なぜボクシングなのか?
各選手を紹介しましたが、どの選手も各団体を代表するような選手ばかりでしたね。
ではなぜボクシングへ転向した、または転向することを決意したのか?
深堀りしてみましょう。
キックボクシングという競技におけるボクシング技術
最近のキックボクシングという競技に於いて、ボクシング技術は重要な要素の一つです。
なぜ最近なのか?というと、これはキックボクシングのルール改変が起きたことに始まります。
昔のキックボクシングルールはほとんどムエタイのようなルールだったそうです。
(ムエタイを日本へ輸入したとも言えます)
このムエタイルールから少しづつ改変され、今では組んで(首相撲)からの攻撃回数が制限されていたり、そもそも禁止されていたりします。
変更された理由としては単純で、組んで動きの無い試合は観客受けが悪いからですね。
この組みからの攻撃の手段を失うわけなので、必然的に距離が近くなった際の攻防では、近い距離で殴り合う想定のボクシングはまさにうってつけの技術ですね。
そのため、最近のキックボクサーにとってボクシング技術は重要な要素なのです。
キックボクサーとして既にボクシングを学んでいるため、転向するハードルは他競技と比べ、そこまで高くないのかと思われます。
また、ボクシングではキックボクシングと違い、シューズを履くことができます。
シューズを履くことでグリップが安定し、パンチ力が増すことになるので、ボクシング転向後は今までと一味違った戦い方の選手を観ることができるかもしれません。
チャレンジ精神!
格闘家として、日々新しい何かに挑戦し続けることが何よりモチベーションに繋がっていくと思います。
これに関して、那須川選手は自身の強さのあまり対戦相手を失い、武居選手は魔裟斗氏曰く「強すぎてK-1で敵う相手がいない」と言わしめるほど、鎬(しのぎ)を削る相手を失っている環境にあったようです。
このような状況にあった際、現在の王座という立ち位置に甘んじることなく、新たなステージでの活躍へ挑戦したいという思いもあったのでは無いでしょうか?
ボクシングの方が稼げる!
格闘家といえど、お金を稼がないと挑戦すらできません。
はっきり言うと、ボクシングの方が桁違いで稼げます。
勿論、活躍の程度によって相場というものがありますが、今回は那須川選手と現在日本最高のボクサーである井上 尚弥選手を比較してみます。
キックボクサーとして超一流である天心選手のファイトマネーは、推定1000万程度と言われています。それでもサラリーマンの平均年収の倍近くありますね・・・
変わって井上選手はというと、なんと推定1億円(最高額)と言われています。
これも世界最高峰の場で試合をした場合に限りますが、上り詰めた先にこのようなビッグマネーがあると思うだけで、モチベーションは高まることでしょう。
果たして成功するのか?
同じ格闘技と言っても、別の競技を始めることになります。
今までその競技を極めようと精進し続けている中へ入り、果たして成功するのでしょうか?
これに関しては、既に武居選手が結果を出しているため、十分に可能性を秘めていると思っています。
加えて今回紹介した選手たちは王座に達したことのあるポテンシャルを持っています。
彼らの新たな挑戦の成功を、応援という形で見守りましょう。