日本だけでなく、世界のプロボクシング軽量級戦線の最前線を牽引する井岡一翔選手と井上尚弥選手。
お互いが並み居る強敵を撃破し続け、敵無しの状態であることや階級も近いことから、二人の試合が見たいというファンがとても多い両選手。
そもそも戦う可能性はあるのでしょうか?
そして、実現した場合、一体どちらが強いのか?
そういった疑問に今回はお答えできればと思います。
目次
井岡一翔と井上尚弥のwiki的プロフィール!

井岡一翔選手のwiki的プロフィール!

名前:井岡 一翔(いおか かずと)
出身地:大阪府堺市
誕生日:1989年3月24日
身長:165cm
階級: 現WBAスーパーフライ級チャンピオン
体重:試合以外の通常時約60kg前後
井上尚弥選手のwiki的プロフィール!

名前:井上 尚弥(いのうえ なおや)
出身地:神奈川県座間市
誕生日:1993年4月10日
身長:165cm
階級: 現WBA、WBC、IBFバンダム級チャンピオン
体重:試合以外の通常時約60kg前後
上記、内容から二人の身長体重はほぼ同じで通常時の体重差は殆ど無いということがわかります。
年齢においても、4歳差。階級も近く、ライトフライ、スーパーフライ級においては共に世界チャンピオンになっています。
ですので、データを見る限り、二人は非常に近しい存在であると言えます。
井岡一翔と井上尚弥の戦績まとめ
井岡一翔選手は31戦29勝2敗(15KO)、ミニマム級の制覇から始まり、現在はWBAスーパーフライ級チャンピオンの4階級制覇を成し遂げ、既に日本ボクシング史に残る実績を残している名選手です。
高校時代には高校6冠を成し遂げ、父はプロボクサー、また叔父の井岡弘樹氏も世界チャンピオンであるなど、ボクシングに彩られた経歴の持ち主です。
一方、井上尚弥選手は23戦23勝(20KO)、ライトフライ、スーパーフライ、バンダム級の3階級制覇及びWBA、WBC、IBFの3団体の統一も果たしています。
また、世界で最も権威のあるボクシング雑誌「ザ・リング」誌が選ぶ、パウンドフォーパウンド(体重関係なく全てのボクサーにおける最強の選手)に井上尚弥選手が選ばれており、これは日本人としては史上初めての快挙です。
元々アマチュア時代から井岡選手を上回る史上初の高校7冠を達成して鳴り物入りでプロ入りをした経緯もあり、輝くようなボクシングエリートとしての経歴です。
また、ボクシングにあまり興味の無い方にはピンとこないかもしれませんが、この「ザ・リング」誌のパウンドフォーパウンドに選ばれるということは、ボクシングを知らない方でも名前を知っている「マイク・タイソン」「フロイド・メイウェザー・ジュニア」等と同等の評価を受けているということであり、将来の殿堂入りは間違いありません。
ドリームマッチの呼びかけに井岡一翔が逃げた?

この両者のドリームマッチに対して、質問が飛んだ際、井岡選手が2022年6月2日の記者会見で、「どこでそんな話になったのか」「現実味がない」という発言をしたことが話題となりました。
現時点で井上と対戦するには1階級上のバンタム級に上げて5階級制覇を目指すことになるが「こういう公の場で5階級制覇のために上げるとも言っていないですし。どこでそういう話になったのかは分からないです」と、階級を上げる発言をした記憶がないと強調。
出典:”井岡一翔、井上尚弥との日本人対決に言及「現実味がない」「どこでそういう話になったのか」”.日刊スポーツ.2022年6月2日14時58分
この発言がきっかけで、井岡選手が井上選手から逃げた、という解釈をするファンが出てきたため、そのようなうわさが広まったようです。
体つきもキャリアもお互い十分釣り合います。
では何故、「現実味がない」という言葉が井岡選手から発せられたのでしょうか。
もちろん数字上では近い体格ではあります。ですが、ボクシングを含め体重を基本とする競技のほとんどに【適正体重】という考え方があります。
その意味は、その選手が最もパフォーマンスを発揮する体重のこと。それが井岡選手と井上選手では違います。
そのため、井岡選手は「現実味がない」と答えたのだと思われます。
井岡一翔と井上尚弥の違いは?
では、具体的に両選手はどこが違うのでしょうか。
まずは、先ほど申し上げた通り、適正体重が違います。
骨格や体つきから、同じ体重でも体の構成は全く異なります。
井岡選手は現在スーパーフライ級でありますが、ミニマム級の時に比べ、KO率は下がり、肉付きも多少良くなっています。
逆に井上選手はバンタム級ですが、現在も高いKO率を誇り、体のキレも下の階級の時とさほど変化はありません。
つまり、体格では井上選手の方が有利なのです。
次にファイトスタイルはどうでしょうか。
井岡選手はオーソドックスながら、全ての技術が高いレベルにあり、まさにボクシングの教科書と言えるボクシングスタイルで判定での完封勝ちもたくさんあります。
井上選手も井岡選手同様、アマチュアからの豊富なキャリアから技術力は最高レベル。しかも、歴代最高クラスのハードパンチャーでパワーなら井岡選手を上回り、判定決着も少ないです。
似てはいますが、微妙にファイトスタイルは違っています。
井岡一翔v.s.井上尚弥の勝敗予想!
もし、両選手が激突したとしたら?
ファンならずともそういった「どっちが強い?」という議論は起こりますが、実際はどうなのでしょうか。
あくまで想像になりますが、井上選手が今から下の階級に落とすということは現実的に難しいです。
そのため、実現するなら井岡選手側が階級を上げる形で挑戦することになります。
しかし、先ほどご紹介した通り、適正体重は井上選手が上であり、しかも既に何度も階級をあげている井岡選手は適正体重の限界が近いということになります。
体重数キロでそんなに変わるのか?と思われるかもしれませんが、変わるからこそ世界中で厳格に計量が行われ、細かく階級が細分化されているのです。
そのため、実際に対戦したとなると、テクニック的な部分で互角だったとしても、体格の有利さで井上選手に軍配が上がる可能性が高いと言えるでしょう。
井岡一翔v.s.井上尚弥はエキシビジョンのスパーリングならありえる?

公式戦は難しいにしても、エキシビジョンでの公開スパーリング等は実現するのでしょうか?
過去に井上選手は元世界チャンピオンの比嘉大吾選手との公開エキシビジョンも行っており、可能性はゼロではありません。
ですが、ボクサーにとって「エキシビジョン」だから負けても良い、とはならないのです。
ボクサーにとっては自分自身が商品です。
仮に戦績が付かないエキシビジョンマッチであっても、倒されたという印象が万が一ついてしまえば、自身の商品価値が落ちてしまいます。
体格の不利がある井岡選手もそうですし、井上選手も世界チャンピオンがかかっているならともかく、あえて危険をおかしてエキシビジョンマッチを受けるメリットがないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
可能性が低いとは言え、ボクシングに絶対はありません。
過去に実現不可能であると言われた伝説の試合はいくつも存在し、直近でいえば体格差を覆して成立したメイウェザーv.s.マニーパッキャオが有名です。
是非、このドリームマッチが現実になるようにファンの一人として祈りたいと思います!